従業員の社会保険 ”注意しないとメチャクチャ痛い・・・” 2017年8月30日

従業員の社会保険 ”注意しないとメチャクチャ痛い・・・”

注意しないとメチャクチャ痛い社会保険(健康保険と厚生年金)



平成29年1月1日提出分の社会保険手続きよりマイナンバーを記載する必要があり、ごまかしが効かなくなりました。



開業から間もないクリニックや、個人事業で小規模のクリニックは加入されていないところも少なくないようです。



後述しますが、社会保険の加入は雇用側にとって想像以上に負担が大きいものです。



基本的な知識と加入義務をしっかり把握して、予めお金と心の準備をしていただくことお勧め致します。



社会保険の加入義務



社会保険は健康保険(協会健保)と厚生年金のことで、一般的には以下の事業者は強制加入となります。



・法人の事業所(株式会社や合同会社などの法人組織)



・個人事業で、5人以上の従業員を使用する一定の事業所(一部のサービス業を除く)



アルバイトは?役員は?



アルバイトやパートの方は、労働時間・日数などの勤務状況により判断します。

具体的には「正社員の3/4以上の勤務時間・日数」勤務している方は、法律的に社会保険の対象となります。「うちは社会保険は正社員だけ」というのは通用しないのです。



役員については、常勤役員は勤務時間・日数に係らず強制加入になります。

一方、非常勤役員は基本的に加入義務がありません。(経営への従事状況による)



代表者の方は仕方ありませんが、奥様などご親族を役員にされている場合には注意が必要です。

報酬や経営への従事業況よりますが、せっかく役員報酬で所得分散しても社会保険料で逆に損をしてしまうケースもあるので特にご注意下さい。



月給30万円で保険料8.4万円?



給与 300,000円の場合



健康保険料は・・・   従業員負担 14,865円(4.95%) 会社負担 14,865円(4.95%)



厚生年金保険料は・・・ 従業員負担 27,273円(9.09%) 会社負担 27,273円(9.09%)



合計          従業員負担 42,138円(14.04%)  会社負担 42,138円(14.04%)



*平成29年4月現在の料率です(介護保険料は加味していません)



「労使ともに概ね14%ずつで合計28%」と覚えておくと良いです。



従業員は半分徴収できますし、福利厚生や採用などを考えると「仕方ないか」で割り切れますが問題は経営者本人及びそのご親族の場合です。

経験上、スタートアップ時や小規模の会社は個人のサイフと法人のサイフは一緒と考えている方がほとんどです。

経営者になったからには50万円くらいの役員報酬は欲しいところですが、月額50万円ではなんと14万円程度の負担となります・・・



「節保険」の検討



社会保険料は、ある意味税金よりも負担感があるかも知れません。 あまり一般的でありませんが「節保険」の意識をもっていただくことをお勧め致します。 一例として・・・



・役員や従業員の勤務形態を見直して、加入対象外にする(週30時間以内を目安)



・しっかりと説明できる準備を行い「経費の幅」を広げて、役員報酬を減額する



・役員報酬を減額して、その分会社にお金を残す



・役員報酬を減額して、その分生命保険等を利用して外部に残す



・起業の場合は、まず個人事業から始める



前述したように、マイナンバー制度の導入で社会保険の加入が徹底されます。 知らなかった・・・ではダメージが大きいので、是非ともご参考下さい。


×
サービス内容
上へ