「お金が掛からない」対策
「売上高の増加、患者様や従業員の満足度が向上する」対策 を言います。
逆に・・・
「売上高の増加、患者様や従業員の満足度の向上にそれほど影響しない」対策
「多額なお金が必要な」対策は後回しとなります。
院長先生は「お金掛からない、出て行かない」対策を最優先に考えるべきですが、ポイントは「漏れなく徹底」して行うことです。
お金は掛かりませんので「知っているかどうか」「徹底できるかどうか」の勝負です!!
・適正な役員報酬〜所得分散をして個人の所得税や社会保険料を節約する
・院長先生の自宅を社宅契約にして個人の所得税や社会保険料を節約する
・旅費規程を整備してお金が出て行かない経費を作る
・締め後給与など、未払金や未払費用の計上を徹底する
・中小企業の特別減税制度を利用して税金を節約する
・患者さんの売掛など回収が難しい売上債権を経費にする
・フードや医療消耗品在庫の廃棄や固定資産の除却を検討する
・事業年度を変更して利益のバランスをとる
・売上の計上基準を見直す
これらの対策は一つ一つでみるとそれ程大きい効果がある訳ではありませんが、これらを網羅して徹底すると、お金も使っていませんので大きな「塵も積もれば」効果が期待できます。
「お金が掛からない、出て行かない」対策を徹底したら、次に優先すべきはクリニックの発展に期するような対策に目を向けるべきと考えます。
例えば、ポピュラーな節税対策で「中古の高級車を購入する」というものがあります。
中古の車両は多額の減価償却費という経費を計上でき、大きな節税効果が期待できますが、どれだけクリニックの売上に貢献できるでしょうか?患者さんや従業員の満足度を向上できるでしょうか?
・クリニックのホームページをリニューアルする
・クリニックの情報発信(院内誌、折り込みチラシ、SNSなど)にコストをかける
・医療設備や検査機器を充実させる、待合室や内装のリフォームをする
・院長先生やスタッフの臨床、研修を充実させる
・スタッフの接遇向上に係るセミナー勉強会などに参加させる
・決算賞与などで利益をスタッフに還元する
・就業規則の整備や社内の福利厚生にコストをかける
・スタッフを増員して、教育、育成できる時間を増やす
上記は一例であり、必ずしなければいけないというものでもありません。
節税対策の多くは「お金を使う」手法です。どうせお金を使うのであれば、活きたお金を使うべきだと考えます。
500万円の高級車を購入するお金を、これらの対策に使ったらどうでしょうか?
とても全部は使えないとおもいますが、100万円でも使ったとしたらクリニックに良い流れを及ぼすことができると考えます。
優先すべきは「売上高の増加、患者様や従業員の満足度が向上する」対策を検討し、これらを徹底できてから「中古の高級車を購入」等の対策を考えるのが健全と言えます。