前回のコラム(「助成金を受けるための準備」編)では、事前準備について触れましたが、今回のコラムでは一番のポイントであるタイムカードの整備についてご説明致します。
前回のコラム「助成金を受けるための準備」の条件の3つ目に「タイムカード、賃金台帳が整備されていること」を挙げました。
実務上はこの条件をクリアできないで助成金申請を断念されているケースを見ています。
タイムカードが整備されていないというのは・・・
「タイムカードに打刻されている通りの賃金が支払われていない」ということですが、貴院では以下のようなケースに該当していませんでしょうか?
役職手当や技術手当など業務に関してつく手当は残業代の計算単価に含める必要があります。
深夜労働の手当として25%の割増をする必要があります。また、深夜労働が1日8時間以上働いた部分と重なっている場合には通常の25%の割増と併せて50%割増となります。
法定休日の場合は35%の割増をする必要があります。また、法定外休日の場合は週40時間の法定労働時間を超えて勤務している場合は、時間外勤務(残業)と同じ位置づけとなり25%の割増をする必要があります。
*法定休日、法定外休日は各クリニックの就業規則により変わります
助成金を申請した際は、上記のタイムカードの集計と実際の支払額を記載した賃金台帳をチェックするとともに、これらの計算の根拠である就業規則の一貫性を見てきます。
助成金の申請はタイムカードの整備の他にも色々と準備が必要です。
せっかく途中まで準備したのだから無駄にしたくないという思いから「タイムカードの手直し〜改ざん」を考える方もいらっしゃるかもしれませんが、これはズバリ絶対NG!!です。
そもそも助成金申請の審査は非常に厳しいものですが、それを誤魔化してクリアしたとしても、未払残業が明るみになる原因の多くは内部告発によるものです。
助成金申請の際は就業規則の整備等の段階で従業員に労働条件を今より周知することになります。WEB検索で何でも知識を得られる昨今、労働条件を見直すつもりがないのであれば助成金申請がむしろ逆効果になる可能性がありますので申請事体をお勧めできません。
当社のお客様で、助成金申請にあたって就業規則を整備し、従業員とコミュニケーションをとりながら上記のような労働条件を見直して助成金をチャレンジしたクリニックがあります。
助成金の受給は当然嬉しいことですが、労働条件を明確にしたことで従業員に安心感を感じてもらえた、モチベーションが上がった等といった声をお聞きします。
「院内の労働条件を見直しのご褒美として助成金を獲得する」これが健全なカタチではないかと考えます。