動物病院「徹底節税」シリーズ9 | 生命保険の活用 編 PART2 2018年4月13日

動物病院「徹底節税」シリーズ9 | 生命保険の活用 編 PART2

生命保険の活用編PART1では法人による節税手法としての生命保険を検討する際に注意すべきポイントについてご紹介させて頂きました。今回のコラムでは法人として保険に加入する際にまず考えて頂きたいことをご紹介させて頂きます。

院長先生に万一のことがあった場合には・・・

あまり考えたくないことかもしれませんが、突然院長先生ご自身に万が一のことがあった時のことをお考えになったことはありますか。

院長先生がいなくなってしまってもご家族やクリニックは残ります。法人組織であれば法人も残り、残されたご家族が法人の経営を引き継がなければならないケースも数多くあります。

例えば、奥様が法人を引き継がなければならなくなったとすると、これまで経営に全く携わってこられなかった奥様が突然法人の役員となり、残された法人の後処理をしなければならなくなってしまいます。これだけでも相当なご心労がかかるのに、その時法人にお金が残っていなかったらどうなってしまうのでしょうか。

院長先生がいなくなってしまった時点でクリニック自体は営業をしていないと思われます。それでも、残っている借入金の返済、未払いの買掛金や経費、またクリニックの家賃の支払いは続いていきます。これまでクリニックのために懸命に働いてきたスタッフを即解雇できるでしょうか。そのスタッフがしばらく苦労しないようにある程度の期間のお給料は出したいと思われるのではないでしょうか。

必要保証額とは

このように先生に万が一があった際には大変な出費が想定されます。残されたご家族がお金のことで苦労をしないように、まずは保険でこれらを賄える状態にしておくことをお勧め致します。

具体的にはどの程度の保険金を準備しておけばよいのでしょうか。この金額を必要保証額といいます。

必要保証額は以下のように考えます。

1.借入金の返済資金

残されたご家族が借金で苦しまないよう、きちんと賄えるように準備しましょう。

2.運転資金

法人が残っている以上、ある程度の運転資金は毎月かかります。クリニックの営業がなかったとしてもかかってくる運転資金はあります。賃貸借契約もすぐには解約できません。スタッフにも残務処理である程度は勤務してもらうことになります。これらで毎月どのくらいの出費があるのかを見積もって、少なくとも数ヶ月分は賄えるようにしておきたいものです。

3.納税準備資金

法人として保険金を受け取ると法人税などの税金がかかってきます。せっかく生命保険金を受け取っても税金を支払って必要な額に足りなくなってしまっては元も子もありません。納税の為に必要となる資金も見積もって、これも含めて保険金でカバーする必要があります。

4.ご家族の為に準備する資金

残されたご家族が生活に苦しまないように準備する資金も法人の保険で賄っておきましょう。法人で受け取った保険金から、ご家族に役員退職慰労金、功労加算金、弔慰金としてご家族に支払うことになります。

このように院長先生に万が一のことがあっても残されたご家族がお金のことで苦しい思いをしないよう事前に準備をしておくのは経営にとって重要なことではないでしょうか。

 

今回のコラムは節税の観点からはすこしずれてしまいましたが、保険を検討する際には経営者として押さえてほしいポイントです。標準生命表の改定を踏まえて、H30年4月より各社とも保険料が改定されているようです(保険会社によっては最大20%ほど安くなることもあるようです。)ので、この際に現在の保険で十分かどうかを検討してみてはいかがでしょうか。



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